こどもひろばアカシアー株式会社アカシア 華井様 インタビュー

保育士としての原体験から、「子育ては一人で抱えるものではない」と強く感じた華井さん。
現在は墨田区で「こどもひろばアカシア」を運営し、大人と子どもの“好きをつなげる”居場所づくりに挑戦しています。
事業を通じて見えてきたのは、地域に根ざした子育て支援の必要性と、経営者としての葛藤。
本記事では、華井さんが歩んできた道のりと、ダンス療育・おもちゃコンサルタントとしての専門性、母として経営者としての両立、そしてこれからの目標までを伺いました。
「子どもたちに好きなことを諦めてほしくない」——その思いに込められたメッセージを、ぜひ受け取ってください。
プロフィール
株式会社アカシア 代表取締役社長 華井磨耶様
保育士としての現場経験を経て、東京都墨田区で「こどもひろばアカシア」を立ち上げ。
現在は代表として、子どもと大人の“好き”をつなげる居場所づくりに取り組む。
ダンス療育指導員・おもちゃコンサルタントとしても活動し、専門性を活かした子育て支援を展開している。
① 子育て支援事業を始めたきっかけ


ご自身の子育て経験や、保育士としての原体験から、なぜ子育て支援事業を始めようと思ったのでしょうか?

軸は2つあります。
1つは原体験です。夫が深夜まで働く仕事をしており、3歳と0歳を完全ワンオペで育てていた時期がありました。体調を崩し、歩行中に平衡感覚を失うほど追い詰められ、「このままでは命が危ない」と危機感を覚えました。
その経験から「子育てを一人でするのは間違っている」と強く感じ、ママたちの居場所をつくりたいと思ったのです。
もう1つは、もともと計画していた小規模保育園の開設がコロナ禍で断念となり、そこから許可不要で始められる「子育て支援スペース」へと形を変えたこと。
行政の支援だけでは補えない部分を民間が担うことで、地域に新たな選択肢をつくりたいという想いが、活動を後押ししています。
② 「こどもひろばアカシア」のコンセプトについて


「大人と子どもの“好きをつなげる”」というコンセプトにはどんな思いが込められているのでしょうか?

出発点は私自身のダンス好きでした。出産後、スタジオやライブに行けなくなり「好きなことを続けられないつらさ」を実感しました。
そこで「子どもと一緒に楽しめたら」と考えたのが始まりです。
今では私の「好き」は完全に子どもそのもの。
執着に近い感覚で、子どもが目の前にいると自然に引き寄せられてしまいます。
だからこそ、子どもが好きなことに挑戦できる場を提供したい。
そして「子どもに関わりたい大人」と「挑戦したい子ども」をつなげる場所を目指しています。
さらに将来は、保育士・助産師・療育士など子どもの専門家をつなぐシェアオフィスとして機能させていきたいと考えています。
③ 経営者としての葛藤

理想と現実の間で感じる難しさについて教えてください。

「家の近くにこんな場所が欲しい」という声は多いのですが、商圏は墨田区や江東区に限られます。固定費や採算の問題から多店舗展開は難しいのが現実です。
子育てはオンラインでは代替できない「地域密着型」の営みです。だからこそ全国各地に同様の居場所が必要だと痛感していますが、一企業だけで広げるのは限界があります。
④ ダンス療育やダンス遊びの取り組み

認定ダンス指導員として、どんな効果や変化を感じていますか?

まだ「療育特化」とまでは進めていませんが、お祭りやイベントで子どもと一緒に踊る機会を大切にしています。
子どもたちと踊ると笑顔が生まれ、場全体が一体感に包まれる。その体験自体が子どもにとって自己表現の第一歩になっていると感じます。
⑤ おもちゃコンサルタントとしての視点


おもちゃコンサルタントとして、おもちゃ選びで大切にしていることは何ですか?

「グッドトイ」認定のおもちゃを多く取り入れています。特に木製玩具は人が触れたときに心地よさや安心感を与えるため、赤ちゃん期には欠かせない存在です。施設の床も無垢のアカシア材を使用しています。
ただし偏るのは良くないので、木以外にもプラスチックや金属など、多様な素材をバランスよく配置し、子どもがいろいろな質感に触れられるようにしています。
⑥ 地域(墨田区)とのつながり

墨田区で活動する中で感じる地域性について教えてください。

私は栃木出身で地域のつながりを意識したことはありませんでしたが、子どもにとっての「地元」は大切だと気づきました。友達=幼なじみを大事にできるよう、地域コミュニティを育てたいと思っています。
また、周辺の地域柄、子どもの教育や体験に投資する家庭が多い傾向があります。地域特性と事業コンセプトの親和性を感じています。
⑦ 保護者の声・ニーズ


利用者から寄せられる声やニーズについて教えてください。

火曜と木曜は「カフェデー」として開放し、親子が自由に過ごせる場を提供しています。さらにリトミックや英語などのイベントは特に人気が高いですね。
また、ベビーシッター助成制度が普及してからは、「とにかく預けたい」ではなく、前向きに体験価値を求める利用が増えているのを感じます。
⑧ 母として・経営者としての両立

二児の母としての子育てと、事業運営の両立で大切にしていることは?

子どもがいることが仕事の妨げにならないのも、この事業の特長です。
クライアントの多くが子どもや子育てに関わる方々なので、打ち合わせ中に子どもが一緒にいることも珍しくなく、自然な形で成り立っています。
そのため「子どもを預けてまで働くのが難しい」「子どもがいるから仕事に支障が出る」といった一般的な子育てと仕事の両立の悩みが、ここでは少なく済んでいます。
⑨ 今後の目標と挑戦

今後挑戦したいことを教えてください。

・子どもの専門家のシェアオフィスをつくる
・同じ志を持つ事業者と全国でネットワークを組む
・自治体の遊休施設を活用し、固定費を抑えながら地域に居場所を広げる
そして65歳までに社会構造そのものを変える存在になるのが最終目標です。そのために臨床発達心理士資格取得や大学院進学も視野に入れています。
⑩ 子どもたちや未来に伝えたいメッセージ


最後に、未来を担う子どもたちにどんなメッセージを伝えたいですか?

「好きなことを諦めないで」ということです。
私は子どもの頃からじっとしていられない特性がありましたが、ダンスと出会い、自分の特性を強みに変えることができました。
子どもたち一人ひとりが持つ「内側から湧いてくる好き」を押しつぶさず、最大限発揮できる社会をつくりたい。そうすれば必ず社会はもっと良くなると信じています。
子育て支援に関わる仲間を募集しています!

保育士・教育関係者の方をはじめ、地域で子どもの居場所づくりに興味のある方を歓迎します。
将来的には、各地のさまざまな事業者や経営者と連携して子どもと保護者を支える、地域に密着した子どもの居場所づくりプロジェクトを全国展開してこうと考えています。
現在保育士さんをはじめ、助産師さんや看護師さん、心理士さんなどさまざまな子どものプロフェッショナルが参加しており、それぞれの専門分野を活かした意見交換会を行なっています。
仲間になってくれる方を募集中!まずはDMにて!「ほいくのイロハ見ました」と添えてご連絡ください!
ご連絡先(華井様各種SNS)
まとめ
華井さんが立ち上げた「こどもひろばアカシア」は、子どもと大人の“好き”をつなぐ居場所であり、親子の生活に寄り添う新しい子育て支援の形です。
保育士としての原体験から始まり、地域の土地柄や利用者の変化を受け止めながら、柔軟に形を変えて続けてきた取り組みは、まさに「民間だからできる補完的な支援」といえます。
母として、経営者としての視点を持ちつつ、子どもがいるからこそ実現できる働き方を体現していることも、大きな魅力です。
そして今後は、地域や専門家をつなぎながら、さらに大きな広がりを見せていくことが期待されます。
子どもたちに「好きなことを諦めずに生きてほしい」というメッセージ。
それは同時に、子育てに関わる大人たちへの励ましでもあります。
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