インターナショナルプリスクールとは?保育士の仕事内容や先生になるにはどうするべきかを解説

近年、幼児期からの英語教育への関心が高まり、英語で保育を行う「インターナショナルプリスクール」が全国で増えています。日本語を母語とする子どもたちが、日常生活の中で自然に英語や異文化に触れられる環境は、保護者からも注目を集めています。
この記事では、インターナショナルプリスクールの特徴や保育内容、保育士としての仕事内容ややりがい、先生になるための条件、給与事情までをわかりやすく解説します。これから保育士として英語保育に挑戦したい方や、キャリアの幅を広げたい方はぜひ参考にしてください。
インターナショナルプリスクールとは

インターナショナルプリスクールの概要
インターナショナルプリスクールとは、英語を中心に未就学児を保育・教育する施設のことです。主に日本語を母語とする子どもが対象で、日常生活や遊びを通じて自然に英語を習得できる環境が整っています。単なる英会話教室ではなく、朝の挨拶から給食、遊び、行事まで一貫して英語で行うことで、子どもたちは生活の中で英語に親しみ、異文化理解や国際感覚も養われます。
似た名称を持つインターナショナルスクールは、海外生活経験のある帰国子女や外国籍の子どもを対象にしている場合が多く、母語が英語の子どもを想定したカリキュラムが組まれます。一方、プリスクールは英語を第二言語として学ぶ日本人家庭の子どもが多く在籍しており、日本語と英語のバイリンガル教育を採用する園もあります。
施設形態は認可外保育園に分類されることが多く、運営時間やカリキュラムは園ごとに異なります。週2〜3日の短時間コースから、早朝から夕方まで預かる長時間保育まで幅広く対応しており、家庭の教育方針や生活スタイルに合わせて選べます。授業料は年間50万〜250万円程度と幅があり、条件を満たせば3〜5歳児は月額3.7万円までの利用料が無償化されるほか、年間44万円程度の補助金が支給されるケースもあります。
1990年代以降の英語教育需要の高まりを背景に全国で施設数が増加し、現在は全国に約800校存在するといわれます。園によってはモンテッソーリ教育やSTEAM教育、国際バカロレアなどの特色あるカリキュラムを導入している場合もあり、英語学習だけでなく、探究心や創造力を育むことにも力を入れています。
インターナショナルプリスクールではどんな保育を行う?
インターナショナルプリスクールの保育は、「英語での生活そのもの」が基本です。英語の授業を特別に設けるのではなく、製作活動・運動・音楽・絵本の読み聞かせ・外遊びなど、あらゆる活動を英語で行います。これにより、子どもは自然な形で語彙や表現を身につけ、英語を「学ぶ」から「使う」へとつなげられます。
また、ハロウィンやイースター、クリスマスなど英語圏の行事を大々的に行う一方で、七夕や節分などの日本の伝統行事も取り入れる園も多く、異文化理解と母国文化の両方を学べる点も特徴です。さらに、アルファベットやフォニックス指導など基礎的な英語学習をカリキュラムに組み込み、読み書きの基礎も早期から育成します。
園によっては探究型のアクティブラーニングを取り入れ、野菜の栽培や科学実験、フィールドトリップ(遠足)など、実体験を通じて英語と知識を同時に身につけられる環境を整えています。こうした活動により、子どもは自然と好奇心や主体性を伸ばしながら、実践的な英語力を養うことができます。
インターナショナルプリスクールで働く保育士の仕事内容

インターナショナルプリスクールの保育士は、一般的な保育園と同様に子どもの生活を支える一方、英語を日常的に活用しながら保育を行うという特徴があります。園内では外国人講師と協力し、異文化や多様な価値観を尊重した保育活動を展開します。
遊び・活動の提供
保育士は、英語を交えながら製作や音楽活動、外遊びを行います。単に英単語を教えるのではなく、活動そのものを英語で進行し、子どもが自然に英語を使う場面をつくります。
例)
外国人講師とのチーム保育では、海外文化や行事にちなんだ活動を企画し、子どもたちの国際的な感覚や表現力を育みます。
生活のサポート
食事、排泄、着替えなど、日常生活の援助は保育士の基本的な役割です。インターナショナルプリスクールでは、生活の中でも英語で声かけを行う場面が多くあります。
「toothbrush(歯ブラシ)」「wash hands(手を洗おう)」など、生活に関連する英語表現を使うことで、子どもが日常的に英語を耳にする機会が増えます。
保護者対応
子どもの一日の様子や成長の変化を保護者に伝えることも重要な業務です。保護者の中には英語が得意でない方もいるため、外国人講師の説明を通訳したり、日本語で丁寧に補足したりすることがあります。逆に、外国籍の保護者には英語で対応する場面もあり、バイリンガルなコミュニケーション力が求められます。
イベントや企画の立案
年間行事の計画やイベント準備も保育士の役割です。海外の行事(ハロウィン、クリスマス、イースターなど)だけでなく、日本の季節行事(七夕、節分など)も取り入れる園が多く、多文化共生を体験できる環境を整えます。イベントに向けた製作活動や装飾準備、進行サポートも行います。
言語習得の支援
インターナショナルプリスクールでは、英語習得を目的とした活動が日常に組み込まれています。園によっては、日本語の習得支援を行う場合もあり、英語と日本語の両方に触れられる学びの機会を作ります。フォニックスや簡単なリーディング、アルファベットの認識など、発達に応じたプログラムを提供します。
事務作業
月案・週案の作成、連絡帳の記入、カリキュラムの打ち合わせなどの事務作業も欠かせません。外国人講師と保育計画をすり合わせるため、英語でのやりとりが必要な場合があります。園によっては連絡帳や報告書を英語で記入するケースもあります。
雑務
保育室の清掃や教材・備品の管理、行事準備など、一般的な保育園と同様の雑務も行います。ただし、壁面装飾や掲示物は英語や外国文化にちなんだデザインになることが多く、国際色豊かな環境づくりに関われる点が特徴です。
このように、インターナショナルプリスクールの保育士は、通常の保育業務に加え、英語や異文化要素を日常的に取り入れた活動を担います。単なる英語教育ではなく、「生活の中で言語と文化を育む」ことが、他の保育施設との大きな違いです。
インターナショナルプリスクールで保育士として働くやりがいと給与相場

英語を活かして働ける環境
インターナショナルプリスクールでは、園内での活動のほぼすべてを英語で行います。製作や音楽、運動、食事・着替えのサポートといった日常の保育業務に加え、保護者対応や外国人講師とのミーティングでも英語を使用します。そのため、「英語を日常的に使う」ことが業務の一部として組み込まれているのが特徴です。
英語力は必須条件でない園もありますが、入職後に自然と英語を使う機会が増えるため、語学スキルを維持・向上させたい方には大きなメリットがあります。特に、外国人保護者と日本人保護者の橋渡し役となる通訳的業務は、日本人スタッフならではの重要な役割です。
多文化環境での保育
インターナショナルプリスクールは、保育の中に異文化体験が日常的に組み込まれています。
海外行事:ハロウィン、イースター、サンクスギビングなど
日本文化:七夕、節分、茶道体験など
こうした行事の準備や運営を通じて、子どもたちに多様な価値観や習慣を伝えます。同時に、スタッフ自身も文化的背景や教育スタイルの違いに触れることで、保育の引き出しを広げ、国際感覚を磨くことができるのです。
給与の相場と待遇
近年の求人動向を踏まえると、インターナショナルプリスクールの給与は以下のようなレンジが一般的です。
| 雇用形態 | 月給・時給相場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 正社員 | 22万〜30万円前後(経験・英語力次第で27万〜33万円も可) | 賞与年1〜2回、英語手当ありの園も |
| パート・アルバイト | 時給1,200〜1,500円程度 | 午前・午後のみの短時間勤務可能 |
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2024年の保育士平均は月給約27.7万円/年収約406万円であり、インターナショナル系もおおむね同水準です。ただし、都市部や英語力を重視する園では、平均より高い給与が提示される傾向があります。
また、住宅手当、通勤手当、研修費補助、海外研修制度、英語資格手当(TOEICや英検)など、条件次第で年収を底上げできる要素も多くあります。
キャリア形成の可能性
インターナショナルプリスクールでの経験は、単なる保育スキルの向上だけでなく、英語教育や異文化理解の専門性を磨くキャリア資産となります。
- 英語保育園やバイリンガル幼稚園へのキャリアアップ
- 海外の教育機関や国際NGOでの活動
- 英語教育関連ビジネス(教材開発、英語教室運営など)への転職
特に、外国人講師との協働経験や、英語での保育カリキュラム運営スキルは、将来的に教育分野全般での活躍の幅を広げます。
インターナショナルプリスクールは、英語を実務で使いながら保育ができる数少ない職場であり、異文化体験が日常的に得られる環境です。給与相場は全国平均とほぼ同等ですが、英語力や勤務条件によっては上乗せも可能です。
「英語と保育を両立したい」「国際的な環境でスキルを磨きたい」と考える方にとって、長期的なキャリア形成にもつながるやりがいある選択肢となるでしょう。
保育士のキャリアや働き方をもっと知りたい方へ

「ほいくのイロハ」は、保育士の転職ノウハウ、資格取得の方法、日々の保育に役立つ情報などを幅広く発信する情報メディアです。今回の記事のように、インターナショナルプリスクールをはじめとした多様な保育現場やキャリアの選択肢についても詳しく解説しています。
まとめ:インターナショナルプリスクールを知ってキャリアの幅を広げよう
インターナショナルプリスクールは、英語を生活の中で自然に習得できる保育環境を提供し、子どもたちの異文化理解を育む場です。保育士にとっては、英語力を活かしながら日々の保育業務に携わり、国際感覚とコミュニケーション力を同時に磨ける希少な職場です。
また、保育士資格があれば未経験から挑戦できる園も多く、英語が得意でない場合でも、業務を通して実践的にスキルを伸ばすことが可能です。さらに、厚生労働省のデータでは保育士全体の全国平均給与は月約27.7万円/年収約406万円であり、インターナショナル系でも22万〜30万円程度の求人が一般的。英語力や経験に応じて27万〜33万円の高待遇を提示する園もあり、福利厚生や研修制度を活用して年収を上げるチャンスもあります。
こうした経験は、将来的にバイリンガル教育施設や海外の教育機関、英語教育事業など、多様なフィールドでの活躍につながります。
「英語と保育を両立させたい」「国際的な環境でキャリアを築きたい」と考える方にとって、インターナショナルプリスクールはキャリアの幅を広げる有力な選択肢となるでしょう。
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