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2025年の育児・介護休業法改正|保育現場への影響と保育士・保護者が知っておくべきポイント

2025 10/05
園運営・制度・業界情報

2025年4月と10月に段階的に施行される「育児・介護休業法改正」は、働きながら子育てや介護をする家庭にとって大きな転換点となります。今回の改正では、子の看護休暇の対象拡大や男性育休の取得推進、柔軟な働き方の義務化、介護離職防止策の強化など、生活と仕事の両立をより現実的にサポートする仕組みが盛り込まれました。

一方で、保育現場では「入園時期の多様化」や「人手不足による負担増」といった新たな課題が予想されます。保育士・園経営者・保護者それぞれが制度を正しく理解し、先を見据えた対応を取ることが求められます。

本記事では、改正のポイントや保育現場への影響、関係者が押さえておくべき実務的なポイントをわかりやすく解説します。制度の概要を正しく理解し、安心して子育て・介護・仕事を両立できる環境づくりに役立ててください。

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目次
  • 育児・介護休業法とは?
    • 制度の目的と歴史的背景
    • これまでの主な改正の流れ
  • 2025年改正のポイント(2段階施行)
    • 2025年4月から施行された内容
    • 2025年10月から完全施行される内容
  • 保育現場における影響
    • 保護者への影響
    • 保育士への影響
    • 園運営者への影響
  • よくある質問(FAQ)
  • 自分らしい保育のキャリアを考えるきっかけに
  • まとめ:2025年改正を保育現場はどう捉えるべきか
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育児・介護休業法とは?

制度の目的と歴史的背景

育児・介護休業法は、子育てや介護と仕事の両立を社会全体で支えることを目的に1992年に施行されました。背景には、女性の社会進出や共働き世帯の増加、高齢化による介護ニーズの拡大といった社会的な変化があります。

当初は「育児休業制度」としてスタートし、出産後に仕事を辞めざるを得ない女性を減らすことが主な狙いでした。しかしその後、介護離職の増加や男性の育児参加の遅れが問題視され、制度は段階的に拡充されてきました。

法律の根本的な目的は、以下のとおりです。

  • 労働者が安心して休業を取得できる環境整備
  • 育児や介護を理由にした離職の防止
  • 男女ともに家庭責任を分担できる社会づくり

単なる「休暇制度」ではなく、労働力の確保と社会の持続性を守るための基盤として位置づけられています。

これまでの主な改正の流れ

制度は社会の変化に応じて繰り返し見直されてきました。代表的な改正を整理すると以下の通りです。

2010年改正
パパ・ママ育休プラス創設。父母ともに取得する場合、子が1歳2か月まで→最大1歳6か月まで休業可能に。
2021〜22年改正
産後パパ育休(出生時育児休業)の創設。育休の分割取得や柔軟な取得方法が可能に
2022年4月施行
男性の育休取得促進策。企業に対して「個別周知・意向確認」を義務化し、職場での取得環境づくりを強化。

これらの流れを踏まえ、2025年改正では「柔軟な働き方」と「介護離職防止」に大きな焦点が当てられています。少子高齢化が進む中、働き手を社会にとどめる仕組みとしての役割がさらに強調されているのです。

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2025年改正のポイント(2段階施行)

2025年4月から施行された内容

今回の改正はまず2025年4月から9つの制度がスタートしました。

  • 子の看護休暇の見直し
    対象年齢が小学校3年生修了まで拡大。感染症による学級閉鎖や入学式・卒業式などの学校行事も取得理由に追加され、より実生活に即した制度となりました。
  • 所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
    残業免除を希望できる対象者が広がり、家庭事情に応じて働きやすくなります。
  • 短時間勤務制度の代替措置にテレワークを追加
    3歳未満の子を育てる社員向けに、短時間勤務に加えて在宅勤務も選択可能に。
  • 育児のためのテレワーク導入
    子育て期の柔軟な働き方として、テレワーク環境整備が企業の努力義務に。
  • 育休取得状況の公表義務を拡大
    従業員数300人以上の企業に限られていた公表義務が拡大し、透明性が高まります。
  • 介護休暇の要件緩和
    勤続6か月未満でも介護休暇が取得可能になり、転職直後や試用期間中の社員も利用できるようになりました。
  • 介護離職防止のための雇用環境整備義務
    企業は介護に関する研修や支援制度を整備する必要があります。
  • 介護のための個別周知・意向確認
    育児と同様に、介護でも個別に制度を案内し、利用希望を確認することが企業に義務化。
  • 介護のためのテレワーク導入
    介護と仕事の両立を支えるため、テレワークの選択肢を導入。
保育現場への影響

これらの制度拡充により、保護者が「子どもの体調不良や行事に合わせて休暇を取りやすくなる」一方で、園では欠席や利用調整の増加に備えた柔軟な対応が求められます。また、在宅勤務が広がることで「午前だけ預ける」「必要な日だけ一時利用」といった新しい利用スタイルも増える可能性があります

2025年10月から完全施行される内容

続いて2025年10月には、以下の2つが追加され制度が完全に施行されます。

柔軟な働き方を実現するための措置等(選択制措置)

仕事と育児の両立に関する個別意向聴取・配慮

選択制措置とは?

事業主は、3歳〜小学校就学前の子を育てる社員に対して、以下の5つの選択肢のうち必ず2つ以上を整備しなければなりません。

始業・終業時刻の変更(フレックスタイム・時差出勤)

テレワーク(月10日以上利用可能)

保育施設の設置・ベビーシッター費用補助

養育両立支援休暇(年10日以上、時間単位取得可)

短時間勤務制度(1日6時間勤務など)

社員は、企業が用意した措置の中から1つを選んで利用することができます。

保育現場への影響
  • フレックスタイムや時差出勤 → 登園・降園の時間帯が分散化
  • 短時間勤務・テレワーク → 短時間保育・一時預かりの需要増加
  • ベビーシッター費用補助 → 保育園以外の選択肢が広がり、園との併用利用が増える

つまり、園には「多様化する家庭の保育ニーズに合わせて柔軟に対応すること」が一層強く求められます。

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保育現場における影響

保護者への影響

子の病気や学校行事に対応しやすくなる

これまで「小学校就学前」までが対象だった子の看護休暇が小3まで広がったことで、小学生のきょうだいを持つ家庭でも柔軟に対応できるようになりました。インフルエンザ流行時の学級閉鎖や、参観日・卒業式といった行事参加も休暇理由に認められ、家庭の予定に合わせた利用が可能です。

父親の育休取得が進み、家庭での子育て時間が増加

男性の育休取得率の公表義務化により、企業は父親の育休を取りやすい環境づくりを迫られます。結果として、家庭で父親が主体的に子どもと関わる期間が増え、母親の負担軽減や子どもの情緒的安定につながることが期待されます。

介護と育児の両立が可能に

介護休暇やテレワーク制度の整備によって、祖父母の介護と子育てを同時に担う「ダブルケア世代」の保護者も、仕事を辞めずに対応できるようになります。これにより、保育園に通う子どもが安心して日常生活を送れる基盤が強化されます。

保育士への影響

子どもの出席状況が流動的になり、調整業務が増える

保護者が柔軟に休暇を取得できるようになると、「午前中だけ家庭保育」「急に一週間お休み」などが増加します。そのため、毎日の出席人数が安定しづらく、給食の準備や職員配置の調整がこれまで以上に必要になります。

保護者との連携・情報共有がより重要に

「今日は在宅勤務だから午後から預けたい」「急に子の看護休暇を使った」など、利用スタイルが多様化する中で、園と家庭が常に情報を共有する仕組みが不可欠です。連絡帳やICTシステムを活用したタイムリーなやりとりが、保育士の負担軽減にもつながります。

保育士自身が介護休業を取得できるようになり、働きやすさ向上

勤続6か月未満でも介護休業を取れるようになったことで、自分や同僚が介護を理由に休むハードルが下がります。その分、チーム内で支え合いながら勤務する文化を整えることが必要ですが、結果的には「長く働き続けやすい職場づくり」にもつながります。

園運営者への影響

入園時期の多様化により定員調整が複雑化

父親の育休取得が進むことで、「0歳児クラスへの入園が数か月遅れる」「年度途中での入園希望が増える」といったケースが考えられます。園としては、定員管理や途中入園枠の設定を柔軟に行う必要があります。

短時間・一時利用対応の強化が求められる

在宅勤務やフレックスタイム制を利用する家庭が増えると、「午前だけ」「週3日だけ」といった多様な利用形態が増えます。園側には、一時預かりや短時間保育の拡充が強く求められるでしょう。

職員の休業取得を想定した人員配置・代替要員確保が必要

保育士自身も育休や介護休業を取りやすくなるため、欠員を前提としたシフト組みや代替要員の確保が課題となります。派遣や非常勤の活用、地域内の園同士での人材シェアなど、新しい運営方法を取り入れる必要が出てくるかもしれません。

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よくある質問(FAQ)

男性育休が進むと入園に影響は?

父親が長期で家庭育児を担うことで、0歳児クラスへの入園を先送りする家庭が増える可能性があります。そのため、年度途中の入園希望や1歳児クラスからの利用が増えると見込まれます。

子の看護休暇はどんなときに使える?

学級閉鎖やインフルエンザの流行時、入学式・卒業式・参観日などの学校行事も対象です。これにより、子どものライフイベントに保護者が立ち会いやすくなります。

保育士も介護休業を使える?

はい。2025年からは勤続6か月未満でも介護休業の取得が可能になります。若手職員や転職直後の保育士でも利用できるため、家庭事情に合わせて働き続けやすい環境になります。

一時預かりや短時間利用は増えますか?

在宅勤務やフレックスタイムを選ぶ家庭が増えるため、午前だけ・週3日だけといった利用が確実に増加します。園としては、一時保育や短時間利用への対応強化が求められます。

園の人員配置にどんな影響がある?

保育士自身も育児休業・介護休業を取得しやすくなるため、シフト調整や代替要員の確保が課題となります。非常勤職員や地域内の人材ネットワークを活用する園が増えるでしょう。

父親の育休が増えると、園との関わり方は変わる?

はい。これまで母親中心だった園とのやり取りに、父親も積極的に参加するケースが増えます。送迎・面談・行事参加に父親が関わることで、園と家庭のコミュニケーションの幅が広がると期待されます。

介護と育児を両立する保護者にはどんな支援がある?

介護休暇やテレワークの整備により、仕事を続けながら「祖父母の介護+子育て」を両立できる制度が整いました。園としては、子どもの生活リズムが乱れないよう、きめ細かなサポートが必要です。

制度改正を園として保護者に説明する必要はある?

法律の周知義務は企業に課されますが、園としても保護者が制度を正しく理解していれば利用調整がしやすくなります。園だよりや面談の場で、簡単に情報共有しておくことは有効です。

制度が完全施行される2025年10月に向けて園は何を準備すべき?

まずは「利用時間の分散化」「途中入園の増加」「保育士の休業取得」を前提に運営計画を立てることです。代替要員の確保やICTシステムによる情報共有体制を整えることが重要です。

自分らしい保育のキャリアを考えるきっかけに

2025年の制度改正で、保護者や保育士の働き方はますます多様になります。
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まとめ:2025年改正を保育現場はどう捉えるべきか

2025年の育児・介護休業法改正は、保護者にとっては休みやすさと働きやすさを広げる大きな一歩です。一方で、保育現場にとっては「利用形態の多様化」「欠席や途中入園の増加」「職員の休業取得」といった変化への対応力が求められる改正でもあります。

特に2025年10月の完全施行を境に、企業側は柔軟な働き方制度を整備し、保護者の働き方は大きく変わります。その影響は確実に園運営や日々の保育に波及します。

だからこそ園や保育士は、

  • 制度を正しく理解して保護者と共有する
  • 短時間・一時利用の増加に備えて柔軟な運営をする
  • 職員の休業取得を前提とした人員体制を整える

といった準備が不可欠です。

今回の改正は「負担増」だけではなく、保護者にとってより安心できる環境を提供するチャンスでもあります。園と家庭が協力し合うことで、子どもにとってもより安心できる育ちの場が実現できるでしょう。

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